LAST LOVE(中編)
しばらくして、三蔵が部屋を出て行くのを、八戒も悟空も何も言わずに見送った。 三蔵は真っ直ぐ建物の外へ出る。 『聞こえませんねぇ。もう少し近寄らないと』 不意に背後から小声で囁かれ、三蔵は不覚にも驚いてしまった―――無論、顔には断じて出さないが―――しっかり、悟空も付いて来ている。 『気配を殺して近付くな。撃たれたいか?』 怪しい三人組は、気配を殺しつつ、悟浄に気取られないように背後の植え込みまで移動したのだった。 「ねぇ、ごじょおは、あのきんいろのおにいちゃんがすきなのぉ?」 (何うろたえてやがるんだ。ハッキリ言ってやれ、ハッキリ!) 三蔵は内心苛々状態だ。だが、これはある意味悟浄の本音を聞けるチャンスとも言えなくもない。 「すきなのぉ?」 (‥‥あの野郎、誤魔化しやがったな‥‥) 三蔵の周りの気温が下がる。八戒と悟空は凍えそうなくらいの寒さを身をもって感じていた。 絽香の顔が、ぱっと輝く。 「じゃあ、あのね、あのね、絽香がおっきくなったらね、およめさんにしてくれる?あのおにいちゃんより、もっとたくさんだいすきになってくれる?」 そう言って、ちゅ、と悟浄の唇に可愛いキスをした。思わず飛び出そうとした三蔵を八戒が制止する。 『ちょ、ちょっと三蔵!落ち着いてくださいよ、大人気ない』 『なあ‥‥何で、悟浄黙っちゃったんだろ?』 悟空の疑問に、三蔵と八戒は小声でのバトルを中止し、思わず顔を見合わせた。 「ごじょお?」 「‥‥ごめんな。それは、無理だわ」 「?」と小首を傾げる少女の髪を、優しく撫でる。 今まで見せたどの表情よりも、穏やかで、それでいて少し寂しげに、悟浄は笑った。 「あいつ以上なんて、ありえねぇ。俺にとって、あいつは最初で―――」 そして悟浄は、言葉を切った。 なんてな。ガキに、何言ってんだろね、俺。悟浄はそう呟くともう一度絽香にゴメンな、と告げた。
「三蔵、俺たち先に部屋に戻るから」 八戒は、悟空を促すとその場を離れた。 八戒と悟空は、無言で笑いあい、そのまま部屋へと戻った。
「おい」 背後から急に声をかけられて、悟浄の心臓は跳ね上がった。 「いつまでそんなところにいるつもりだ。もう戻れ。ガキはとっくに寝る時間だぞ」 立ち上がろうとする悟浄の服を、絽香が必死で掴んできた。困り果てた様子の悟浄に、三蔵が声をかける。 「そのガキも、一緒に連れてこい」
それから、恐縮する絽香の両親に断り、部屋に連れて来て、ベッドに寝かせた。悟浄はずっと、少女に添い寝してやっている。三蔵は、部屋の隅で椅子に腰掛け、僅かな明かりの下で新聞を読んでいた。 「眠ったか?」 三蔵の言葉に、悟浄がかすかに笑う気配がする。 「お前、また目が悪くなるぜ?こんな暗いトコで新聞なんて」 手を伸ばし、こちらを見ようともしない三蔵の眼鏡を外す。ようやく三蔵が目を上げた。視線が、絡み合う。 「重くねぇ?」 そのまま、唇を重ねる。軽く触れ合う事から始まったそれは、次第に深く、濃厚なものになっていく。 「‥‥おーい三蔵。今は、マズいって」 手の動きを止めようとしない三蔵に、悟浄は焦った。が、ズボンの上から自身をなぞられ、腕から力が抜ける。 「体は素直だな」 「ん‥‥うくっ‥ん」 悟浄、と囁きを一つ落とす。
「パパ‥‥ママ‥‥」
はた、と二人は動きを止めた。恐る恐るベッドで眠る少女の様子を伺ったが、どうやらただの寝言のようだ。悟浄は、荒い呼吸を整えるために、何度も大きく息をした。 「‥‥やっぱ、パパとママが恋しい、か‥‥。ちょっと俺、両親の所まで、運んでくる、わ」 「その状態で外に出る気か、貴様」 悟浄のものは、三蔵の愛撫によって既に形を変えていた。紅い瞳は快感で潤み、揺らめいて三蔵を誘っている。 「‥‥オネガイシマス」 「すぐ戻る――待てるな?」 囁いて、宥める様にキスをした。
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ますます、小学生の日記みたいな文章になってしまってます///。