Poison(三蔵Ver.)
夜半、悟浄の部屋のドアを開けた途端、わずかにアルコールの匂いがした。 「よ、三蔵」 「本当はさぁ、美味かったら三蔵誘おうと思ってたんだけどさ。こんな酒飲ませたら、何言われるかわかんないし?」 「‥‥寄越せ」 「だーかーらー、言ったでしょ。そんなニラむなって!文句言うなっての!」 「極上の酒、飲ませてやろうか?」 小さいテーブルの上に放られていたグラスの中身を煽り、俺の肩を引き寄せる。流し込まれる、熱い液体。さっきと同じ酒のはずなのに、今は信じられないほどの甘さと熱さ。喉を鳴らして嚥下する。この熱を逃すまいと奴の体に腕をまわして抱き寄せた。触れる腕が、唇が、舌が。何もかもが燃えるようだ。出て行こうとするあいつの舌を逃さないように絡め取る。俺の手が、あいつの腰をなで上げる。感じる熱がさらに上がる―――
突然、体を離された。降ってわいたような喪失感。熱かった腕の中に、冷たい空気が流れ込んでくる。
何故、離れた?
今のあいつは俺から少し離れたところに立っている。手を伸ばしても、届かない距離。 ――欲シイ欲シイ欲シイモット寄越セ全然足リナイモット寄越セ 狂った思考が脳内を支配する。止まらない悪寒。
―――――それはまるで 欲望という名の 禁断症状―――――
ヤバイ。
「どう?上物だろ」 答えを知ってて尋ねてくる。こいつ本当にタチ悪い。 「やみつきに、なるかもよ?」
それがどうした。
問題ねぇだろ 「Poison(三蔵Ver.)」完 |
悟浄さん、リベンジ編。つくづくうちの二人って、馬鹿だなあ。と思ってしまう私です。
これって、やっぱり私が馬鹿だからなんでしょうね‥‥。