Poison(悟浄Ver.)
「う〜〜。なぁ〜〜さんぞ〜〜煙草くれよ〜」 さっきから俺は、木にもたれて座る三蔵の足元をゴロゴロ転がっていた。 煙草が切れてから丸1日、俺はもう限界にきていた。この森を抜ければ街があるらしいが、日が落ちてからの森抜けは危険すぎる。俺は泣く泣く、野宿に同意した。 「あ〜。もう駄目、俺マジ死ぬ‥‥」 「!っ??ん――んっ!」 驚いて目を開ければ、三蔵のどアップ。驚きながらも舌で唇をなぞられれば口を開いてしまうのは習性か悲しい男の性か。途端に息を吹き込まれる。むせ返るようなマルボロの匂い。くらり、と意識が揺らぐ。追ってすぐに入ってきた三蔵の舌を吸い上げ、存分に味わう。幾分薄まったマルボロと逆に強くなった三蔵の、二つの匂いが混ざり合って俺の欲望を刺激する。 ぞわり、と全身が粟立つ。 ――――どんなキツイ煙草でも 決して味わえない、この恍惚とした酩酊感。 唇が離れた瞬間、また欲しくなる。恐ろしいほどの習慣性。
ヤバイ。
「‥‥とりあえず、今はコレで我慢しとけ」 俺は笑っていた。
「心配いらねぇよ」
紫煙が吐き出される。その姿に無性に喉が渇く。――――欲しい。もっと。
「責任は、取ってやるさ」 「Poison(悟浄Ver.)」完 |
お互いしか見えていないラブラブバカップルを目指した意欲作!‥‥のはずでした。
でも、「服従の代価」なつき様に「甘い!」と言っていただいたので、それなりに満足。