By ユキ様

『さいゆうき りろぉ〜ど』

「…楽しいですねぇv」







「どこがだよっ!!!!!!!!!」


玄奘三蔵一行、ただ今ピンチ。
何がピンチ?


1、 敵が意外に強かった。

2、 悟空の金鈷が外れた。

3、 大事な経文が奪われた。

4、 ジープが変身できなくなった。




正解は…………………………………………、全部。



「嫌ですよ悟浄v楽しいじゃないですかvこんなにお友達が会いにきてくれてv(微
笑)」
「いつ、どこで、コイツ等と友達になったんだ…」
「し・か・も、ジープが変身できなくなるほどダメージまで頂いてv」
「八戒…?手の平がものすっごく光ってんですけど(キレてる…これは絶対にキレて
る)」
「お礼…しなくちゃですよね…」
「(きたぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!!!!!!)」





ドカーン!!!ドーン!!!



「木っ端微塵てこーゆうのを言うんだよな…きっと…」
「あら、強すぎちゃいました?あははv」
「ははは…って!それよか悟空どうすんだよ!あのままじゃ俺達まで木っ端微塵だ
ぜ!?」
「ジープ〜大丈夫ですか?今治してあげますからねぇ」
「おい、聞けよ…(泣)サルを…」
「五月蝿いですよ悟浄!!静かにして下さい!!」
「はい…(汗)ったく…三蔵!悟空を元に…って」
「寒い!!!!!」
「あ??」
「経文が無ぇと寒いんだよ!!!(凍)」
「はぁ???」
「ああ、三蔵は経文をマフラー代わりにしてましたもんねv」
「え!?」
「寒い…おい悟浄、温めろ」
「え?…ってちょ…脱がすな服を!!///」
「グダグダ言ってねぇでヤらせろ」
「断る!!だいたい経文をマフラー代わりにすんな!ってか首に巻いてねぇだ
ろ!!!」
「…細かいコトは気にすんな」
「するっつうの!!!!」
「三蔵、代りにコレ巻いてればどうですか?粗品のタオル」
「お、いいな……温かい」
「それがあれば経文いらないですねぇv」
「そうだな、コレの方が洒落てるしな」
「待て待て!どこが洒落てんだよ!!それに経文取られたらやばいだろ!!!」
「牛魔王の蘇生実験の一つや二つどうってことないですよv」
「こうなったらこの街で暮らすか。悟浄、二人で家買って暮らすぞ」
「いや…あの…」
「じゃあ僕は悟空と暮らしますよvねぇ悟空v」
「うん!!俺八戒と暮らす〜!!!」
「何時の間に元に戻ってんだ!!!!!!!??????(泣)」
「何言ってんの悟浄?腹減ってんのか??」
「…俺がおかしいのか…?(混乱)」
「そうと決まれば急ぎましょう♪」
「出発〜!!!」
「………………………………………(みんな壊れてる…)」


その日の夜、悟浄は三人の前からいなくなった。…というか、出ていった。


「…兄貴のトコにでも行こうかな…(泣)」

 終わり

『雨の降る夜に』

静かな部屋に響き渡る、音                      

「………はい」

電話の向うには幸せが

「あ、三蔵?俺だけど…」

手を広げて待っている

「ああ…どうした?」

貴方の後ろから聞こえる、音

「うん…あのさ…」

自分の嫌いな、音

「…雨か」

大切な人を守れなかった時の、音

「…うん」

自分の無力さを知った時の、音

「…どこにいるんだ?」

冷えた体温が伝わる

「…いつもの公園」

きっと震えていて

「わかった…待ってろ」

抱き締めてやらないと

「ごめんね…」

消えてしまう

「…すぐ行く」

大切な大切な人

傘を一本持って

階段を急いで降りて

走って

走って

走って

紅い天使を見つける

「…三蔵」

雨に濡れた天使

「…寒いか?」

一本の傘に二人で入って

「平気」

濡れないように距離を縮めて

「荷物貸せ」

触れるだけのキスをして

「今日はシチューだからね」

温かい場所に

「…ああ」

君との思い出が詰まった

「三蔵…今日からよろしくね///」

二人で暮す家に

「悟浄…」

早く帰ろう

                終わり

『月に愛の告白を』

死を急ぐ者、死に背を向ける者
ただ一つの愛を、奪う君は愛の死神



「って詩、知らない?」
ハイライトの煙をゆっくり吐き出しながら三蔵が仕事をしている机に腰を下ろす。
影で書類が見難くなった所為で眉間に皺が寄る。
邪魔だ、と言っても悟浄は動こうとせず、ただタバコを吸う。
「…どけ」
「だから質問に応えろよ、知ってる?この詩」
「…知らねぇ」
面倒臭いといった感じで溜息交じりに応えた。
すると喉をククッと鳴らし、三蔵の頬に口付けてきた。
「今俺が作った詩」
「…なら知る訳ないだろ…」
今度は三蔵から悟浄の頬に口付ける。
左頬の傷を癒すように舌を這わせ、体が反応するのを待った。
「…エロいよなぁ…三蔵って」
普通そんなトコ攻めないっしょ、と苦笑しながら三蔵の首に腕を回す。
「そうさせてんのはテメェだろ…」
「ノったのはお前じゃん」
クスクス笑いながら机の上に乗り、三蔵と向き合う。



「仕事の合間の息抜きにおいしい悟浄ちゃんはいかが?」
誘うように足を開き、少し腰を浮かす。
「おいしいかどうか…」
悟浄の体を後ろにゆっくり倒す。
「まずは味見させてみろ」
「上等」
笑い声を奪い取るように唇を重ねる。       
                   
                      
「んぅ…っあ…」
体を揺さ振られる度に、悟浄の口から甘い声が漏れる。
机が時折、ギシギシと音を立てるが悟浄の声のほうが三蔵の耳を刺激する。
「…辛いか?」
涙を浮かべる悟浄を気遣い、三蔵は動きを止める。
「…背中…痛い…っ」
「背中?…しょうがねぇな」
悟浄の体を引き寄せ後ろに倒れるように椅子に座る
「んひゃあっ…」
その行動のせいで奥深くまで三蔵のモノが突き刺さる。
悟浄の様子をみながらゆっくりと下から突き上げ、首筋に顔を埋めて舌を這わす。
「悟浄…っ…」
「さぁ…ぞぉ…ひゃ…んくぅ」         
突き上げる度に揺れる深紅の髪が余計に三蔵を熱くさせる。          




限界が近づき悟浄も腰を揺らして三蔵のモノを締め付ける。
「さん…ぞっ…」
「っ…イきてぇのか…っ?」
腰を押さえ激しく攻めたてる。
「ひゃあっ…んあっ…た…んじょう…びっ…」
「あ?…っく…」
「…ん…誕生日…おめでと…っんあぁぁ!」
「…っく!」
お互い熱を吐き出し、悟浄は凭れ掛かるように意識を失う。
三蔵は悟浄を抱いたまま、荒い呼吸を整えて考える。
「たんじょう…び…?」


深紅の髪を撫でながら声を殺して笑う。
「そうか…今日は29日か…だから来たんだな…」
愛しそうに頬に口付けしてそのまま三蔵も眠りについた。




「ん…三蔵…誕生日…おめでとぉ…」



悟浄の寝言が三蔵の耳に届いたかどうかは窓から射し込む月光だけが知っている。  
       
          

終わり