悟浄ちゃんは奥様v〜酔っ払い編〜

By ユキ様

「風呂あがりの一杯〜v」
 

夕飯を食べ終え、三蔵が書類をまとめている間に悟浄は風呂に入った。
いつもなら無理矢理三蔵も一緒に入るのだが、どうしてもやらなければいけない仕事があったので夕飯前に一人で入ったのだ。
 

「三蔵、終わった?」
濡れた深紅の髪をタオルで拭きながら三蔵を覗き込む。
眼鏡のレンズ越しに見える紫電の瞳は少し疲労の影を宿している。
「ああ…」
「飲む?」
昼に買った酒を指差し、悟浄は三蔵の肩を軽く擦った。
「そうだな」
「じゃあなんか用意すんねv」
 

 

悟浄がツマミを用意している間、三蔵は酒とグラスをリビングに運んだ。
カーテンを開けてみると綺麗な月が見えるので、リビングの電気を消してみる。
「え?どしたの?」
「月明かりで十分だろ」
三蔵の言葉に、ツマミを片手に外を覗く。
すると自分の大切な人を思わせる月が輝いていた。
「綺麗…」
 

グラスに買ってきた酒を注ぐと、氷の崩れる音が静かに響き渡る。
「乾杯v」
透明のそれを口の中に流し込むと抵抗なく喉を通る。
「はぁ〜やっぱおいしいね、コレ」
「クセがないからな」


好みの酒だからか、悟浄は次から次へと体に流し込んでいく。
「おい…飲みすぎじゃねぇか?」
「らいろーふ、らいろーふ(大丈夫、大丈夫)」
既に呂律の回ってない悟浄に溜息を漏らすと、三蔵は立ちあがり手を取る。
「ほら、ベッドに行くぞ」
「いやぁー!もっろ飲みゅー(もっと飲む)」
三蔵の手をぎゅっと握り左右に振り、潤んだ瞳で見上げる。
「さんぞ…飲も…?」
 

その悟浄の顔は三蔵の『悟浄お気に入り顔ベスト5』の3位に入る顔だったらしく、理性は遠くへ吹っ飛んでいった。
 

グラスに残っている酒を口に含み、悟浄に口移しで飲ませ押し倒した。
「悟浄…」
首筋に顔を埋めて名前を呼ぶと、小さな悲鳴にも似た声が漏れる。
「…っん…や」
ソファーに押し倒された悟浄は三蔵のシャツを掴みながらしきりに頭を左右に振って抵抗する。
「やぁ…んぅ」
「嫌じゃないだろ?…誘ったのはお前だ」
服を全て脱がすと、焼けてない白い肌が月明かりに照らされていて、
透き通るような肌に目を奪われていると、悟浄が起き上がり三蔵を抱き締めた。
「…ここじゃ…嫌」
掠れた艶めかしい声が三蔵の耳を刺激する。
「どこならいいんだ…?」
「…ベッド…///」
頬を赤らめて恥ずかしそうに呟く。
目尻にそっと口付けると、擽ったそうに体を捩らせる。
「わかった…」
 

グラスをそのままにして、三蔵は悟浄を寝室へ運んだ。
そして、月が太陽に変わるまで悟浄の甘い声が部屋に響いていた。
 

 

 

                                          「〜お仕置き編〜」に続く…