「ん…っ」
喉の渇きのせいか、変な時間に目覚めた三蔵は、ベッド横のサイドテーブ
ルに手を伸ばし残っていたビールを飲み干した。
月明かりが射し込む部屋は、小さい電気がついてるように明るい。
横を見ると愛しい恋人が体を小さく丸めて寝ている。
シーツから覗く肌に散らばった紅い痕が、先程までの行為を思い出させ
た。
自分の下で綺麗に、艶やかに輝く紅…。
きつく閉じられた目尻に溜まる生理的な涙。
それが見たくてわざと焦らすと、掠れた声で名前を呼んでくる。
何度抱いても飽きることなく、もっと欲しくなる…麻薬みたいな体。
「んぅ…さんぞ?」
重い瞼を何とか開けて、隣りで自分を見つめている三蔵の腕を掴んだ。
「起こしたか?」
長く紅い髪をゆっくり梳くと、気持ち良さそうに目を閉じる。
「ううん、大丈夫…眠れないの?」
「いや…お前の寝顔に見惚れてた」
悟浄の顔が一瞬で赤くなったのに三蔵は笑った。
「…バカ///」
「本当のことなんだから仕方ないだろ」
その言葉に、うぅ〜と唸りながらシーツを頭まで被ってしまった。
「隠すな。まだ見たりねぇ」
「い〜や〜」
悟浄の体はスッポリとシーツに隠れている。
三蔵はそーっとシーツの中に手を忍ばせ、悟浄の腰を擽り始める。
「ひゃあ!くすぐったい!やだ三蔵!」
暴れた拍子にシーツがグチャグチャになり悟浄の体を露にした。
「…綺麗だな」
月明かりに照らされた体は宝石のように輝いていた。
「もぉ///そーゆうこと言…」
言い終わる前に三蔵の唇で塞がれてしまった。
「ん…ぅ」
優しく甘い口付けに頭の中が真っ白になってゆく。
「愛してる」
合間に耳元で囁かれ益々顔が赤くなる。
「愛してる…悟浄」
「…俺も愛してるよ…」
三蔵の首に腕を回し、自分から口付けた。
「ずっと傍にいてね…」
「ああ…」
二人が眠りについた頃には、空が明るくなっていた。
終わり |