3万打特別記念駄文
「愛、燦々と」
最近の、俺の日課。 夢の中で、お前を探すコト。 金色の髪は目立つから、すぐに見つかるだろうと思うのに。 どうしても、見つからない。見つけられない。
そして目が覚めて、またお前の姿を探す。 もしかしたら、先に起きて、一人でコーヒー飲んでたりするんじゃないかと。 やっぱり、見つからない。 そして、思い知らされる。 今日も、また繰り返す。
ずっと一人だったのに。 お前が、いない。 ――辛いよ、三蔵。
『俺の後は追うな』 そう言ってたよな。紫の瞳を、少し眇めて。 ズルいよ、お前。
お前の言いつけなら、俺が守ると思ったんだろ? 甘ぇんだよ。 悪ぃな、三蔵。
握った包丁は冷えた光を反射して、魅惑的に俺を誘ってる。
お前のせいだ。 俺を残すから。 俺、結構、頑張ったんだぜ? 今度会ったら、褒めてくれよ。 不思議だな。
けど、もう限界みたいだ。 怒るだろうな、お前。 じきに、行くよ、俺も。 『仕方無ぇ奴だ』 真っ赤に染まった手を、俺は歓喜に震えながら眺めた。 もうすぐだよ、三蔵。
もうすぐ、 お前‥‥に、
‥‥会え‥‥る‥
「おーい、いま帰ったぞ〜、悟浄」 チャイムの音もそこそこに、開かれたドアから顔を覗かせた三蔵に、悟浄は思い切り抱きついた。 「何だ、何泣いてんだ。たった3日会えなかったぐらいで」 「後は追うなと言っただろう?」 「‥‥悪かった。雑事に手間取ってな」 「実はさ、三蔵に差し入れしようと思って、弁当作ってたんだよ。見てくれよ、ホラ!このミニオムレツなんか、自信作だぜ!?」 そこには、どう見ても成人男性が食するとは思えない、原色とりどりのおかずが詰められたラブリーな弁当があった。 「ああ‥‥旨そうだな」 「上にのってるケチャップのハートがイケてるだろ?俺、三蔵がどんな顔してこれ食べてくれるのか想像してたらつい力が入ってさ〜。思わずトマトソース缶、握り潰しちまったぜv」 「大丈夫だよ、ちょっと手がトマトソースまみれになって、まっ赤になっちまったぐらい。それよか弁当食べてみてよ。出来上がった時には『これで三蔵に会える!』って嬉しくなっちまって、俺、一瞬気が遠くなったぜ、マジ」 「あんまり可愛いこと言うんじゃねぇよ‥‥」 「ゆっくり馳走になるさ。お前ごとな」 「会えなかった分、可愛がってやるからな。ちゃんと我慢できたか?浮気しなかっただろうな?」 「悟浄‥‥」
「そのたった3日で大騒ぎしてんのはどこのどいつなんだよ‥‥‥」 三蔵と悟浄が熱い抱擁を交わしているのと同じ部屋で、八戒と悟空は差し向かって煎餅をパリポリと食べていた。 「大体、『三蔵がいなくて暇だから遊びに来い』っつったの、悟浄だろ?台所でぶつぶつ言ってるから、メシでも作ってくれてるのかと思えば‥‥三蔵の弁当かよ。しかも、弁当箱までハート型じゃねーか。‥‥どんな顔して買うんだろ、あんなの」 何故にそんな忍耐力をつけねばならないのか。
「愛、燦々と」完 |
阿呆ですわ。
いえ、二人がじゃなくて、私が///
何気なく同居してるし!八戒兄さんと悟空も一緒に住んでるっぽいし!?
いつの間に進展したんだろ。私に無断で(爆)
こんなとんでもないお話、読んで下さってありがとうございました。
さぞ痛かったでしょう。でも、苦情はご勘弁を(逃)
記念駄文、ここに極まれり……。